持っててよかった技術力🎵

みなさんこんにちは~

最近は日中の日差しがかなり強くなってきましたね。深谷市でも初夏のような陽気が続いていて、外での作業は少し動くだけで汗ばむほどです。農作業もいよいよ本格的なシーズンに突入し、周囲の畑も活気にあふれていますが、急な気温の変化に体調を崩さないようお気をつけくださいね。☀️


いよいよ今年も「あの季節」がやってきます。そうです、トラクターのエアコン修理のシーズンです!🚜✨

これからの時期、代かきや耕耘、そなどでトラクターに乗る時間が格段に増えますよね。そんな時にエアコンが効かないキャビンの中は、まさにサウナ状態。想像しただけでも汗が出てきそうですね😅

実は、トラクターのエアコンは一般的な乗用車よりも過酷な環境で使用されています。泥や埃、そして激しい振動にさらされるため、ときどきガス漏れやコンプレッサーの不具合が起こります。

「風は出るけど冷たくない」「変な音がする」といった症状は、エアコンからのSOSサインかもしれません。本格的な猛暑がやってくる前に、しっかりメンテナンスをしておきたいところですね🎵

まずは、今回お預かりした機体の状況から確認していきましょう。


1. まずは徹底した「原因究明」から

今回お預かりしたのは、クボタの MZ705。 「エアコンの効きが悪い」とのことで、さっそくマニホールドゲージを接続して診断開始です。

エアコンの不具合と一言で言っても、ガス不足なのか、詰まりなのか、はたまた電気系統なのか……。慎重に圧力を見ていくと、今回はコンプレッサーの圧縮不良であることが判明しました。心臓部がうまく動いていない状態ですね。

2. 環境にやさしく、冷媒ガスの回収作業

原因がわかれば、さっそく修理に取りかかります。 まずは、システム内に残っている冷媒ガスを専用の機械で回収していきます。

トラクターの修理でも、ガスをそのまま大気に放出するのは厳禁!🙅‍♂️ 地球環境を守るため、そして安全に作業を進めるために、このようにボンベと回収機を繋いで、きっちりとガスを回収していきます。

3. コンプレッサー交換、そして「真空引き」

古いコンプレッサーを取り外し、ピカピカの新しいパーツへと交換が完了しました! しかし、部品を付け替えてすぐにガスを入れればOK……というわけにはいきません。

ここで登場するのが、この真空ポンプです。

エアコン回路内に残った空気や水分を、この機械を使って徹底的に追い出していきます。これを「真空引き」と呼びます。

「なぜ空気を抜くの?」と思うかもしれませんが、実は水分が少しでも残っていると、配管の中で凍り付いて詰まってしまったり、内部をサビさせてしまったりと、故障の再発に繋がってしまうんです。

トラクターを長く、快適に使っていただくためにも、この「待ち時間」がとっても大切。じっくりと時間をかけて、回路内をカラッカラの真空状態に仕上げていきます。

4. 妥協なし!窒素ガスによる「気密試験」

真空引きが終わったら、すぐにガスをチャージ……したいところですが、ここでさらにもう一手間。ここがプロの仕事の分かれ目です!

新しいコンプレッサーや配管の接続部分から、目に見えないほど微細な漏れがないかを確認するため、「気密試験」を行います。

通常の圧力以上の3.0MPa という高い圧力をかけて窒素ガスを充填しました。

この状態でまる一日放置し、翌日になってもメーターの針がピクリとも動いていないかを確認します。

「真空引きで漏れがなければいいんじゃない?」と思われるかもしれませんが、実は「吸い込む力(負圧)」では漏れなくても、「押し出す力(正圧)」がかかった時にだけ漏れ出す場所があるんです。

真夏の過酷な作業中にガスが抜けてしまったら元も子もありません。 お客様に安心してお使いいただくため、じっくり時間をかけて「絶対に漏れない」という太鼓判を押してから、最終工程の冷媒ガス充填へと進みます!


5. 仕上げのガスチャージと感動の「キンキン」体験

窒素ガスによるリークチェックを無事にクリア!漏れがないことが完全に証明されました。 ここから再び真空引きを行い、いよいよ本番の冷媒ガスを規定量、きっちりと充填していきます。

ガスを入れたら、エンジンを始動してエアコンスイッチON! コンプレッサーが「カチッ」と音を立てて回りだし、システム全体に冷媒が循環し始めます。

6. 最終チェックは数値で厳密に!

最後は感覚だけでなく、しっかりと温度計を使って性能を確認します。

  • 外気温・吸い込み温度:19.5℃
  • 吹き出し口温度:8.7℃

見てください、この差を! 吹き出し口からは8.7℃という、キンキンに冷えた心地よい風が吹き出しています。これなら真夏の炎天下での作業も、キャビンの中は別世界。快適に仕事に集中していただけるはずです。


修理完了!

これにて、クボタ MZ705のコンプレッサー交換作業はすべて完了です。🚜❄️

トラクターのエアコンは、ただ冷えればいいというわけではありません。 過酷な現場で長く使っていただくために、今回のような「ガスの回収」「真空引き」「窒素による気密試験」といった一つひとつの工程を丁寧に行うことが、快適な作業には欠かせませんね。

以前に空調業界に身を置いていたことで、この経験が活きています✨
こんな場面でも農家の皆さんのお役に立てる技術を持っててよかったなぁ~て改めて実感しています。

「最近冷えが悪いな…」と感じたら、手遅れになる前にぜひ早めにご相談くださいね。本格的な夏が来る前に、愛機のコンディションを整えて、最高のシーズンを迎えましょう!
それでは、今日も安全作業で頑張りましょう〜!👋😊